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2018.01.12
第1回ALFAシンポジウムが開催されました。
「第1回ALFAシンポジウム」が、2017年12月9日(土)に東京大学理学部化学本館講堂にて開催されました。シンポジウムには、我が国の関連研究者など80人の方々が参加され、アト秒レーザー科学研究施設(ALFA)の構想について議論しました。
シンポジウムの冒頭では、五神 真 東京大学総長、西山崇志 文部科学省量子研究推進室長、荒川泰彦 東京大学生産技術研究所教授、大越慎一 東京大学大学院理学系研究科副研究科長からご挨拶いただきました。その後、山内 薫 東京大学大学院理学系研究科教授よりALFA計画についての概要が説明され、続いて全国の研究者からALFA構想へのご期待、ご提案、ご希望が発表されました。その後の意見交換会も含め、活発な議論が続きました。
五神 真 東京大学総長より、「先端的な光科学技術、なかでもアト秒パルス技術開発とその科学研究への応用は、日本の提唱するSociety 5.0の基盤構築のために重要である。アト秒レーザー科学研究施設(ALFA)の構想の実現により、日本の光科学研究のコミュニティー全体でイノベーション創出に貢献することを期待する。東大としてもALFAプロジェクトを支えていく。」との挨拶がありました。
続いて、文部科学省科学技術・学術政策局の西山崇志量子研究推進室長より、「光科学につ
いて、最先端光プロジェクトを進めてきた。文科省の科学技術・学術審議会量子科学技術委員会では、本年8月に『量子科学技術(光・量子技術)の新たな推進方策』をまとめたところであり、これを踏まえて、文科省では、平成30年度予算にQ-LEAPプロジェクトを概算要求しているところである。
また、同じく学術分科会の方では、『学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップの策定2017』において、特に一定の優先度が認められた7計画の一つに ALFAの構想が位置付けられた。我が国の、これまでに培われた卓越した研究成果や人材、
ネットワークや協力体制が大いに活用され、官民が本格的に連携して、経済・社会的な課題解決に貢献する成果が多数生み出されていくことを期待している。」との挨拶がありました。
次に、東京大学生産技術研究所の荒川泰彦教授より、「10年前に日本学術会議による光科学強化に関する声明があり、それに呼応して山内教授が中心となり『光科学研究の最前線』が出版された。その当時、山内教授、理研の緑川克美領域長、理研播磨の石川哲也センター長らがALFAの原型ともいうべき光源構想を提案しておられ、それを応援したことを覚えている。近年の欧州(ELIプロジェクト)や、中国(中国科学院)での高輝度
レーザー施設の建設・計画を考えると、今がALFA建設のチャンスである。ユーザーを含むオールジャパンの体制を構築されたい。」との挨拶がありました。
そして、理学系研究科大越慎一副研究科長より、「理学系研究科として、ALFA計画に期待している。このプロジェクトを通じて、若手研究者が情熱をもって素晴らしい研究を進め、大きく育ってほしい。」との挨拶がありました。
つづいて山内教授より、「2014年度に引き続き、2017年度においても、ALFA構想が日本学術会議のマスタープランや文部科学省の『学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ』に、優先して推進すべき課題として載せていただくに至った。
ALFAでは、高次高調波シード型自由電子レーザー始め、汎用型、高輝度型、高繰返し型の4本のビームライン設置を計画している。最先端光源施設でありながら、使い易く、いつでもアト秒パルス光が出せるロバストな施設としての運用を目指している。本日のシンポジウムを通じで、ご出席者の方々のご意見を基に、ALFA構想をより充実したものにしていきたい。」との説明がありました。
その後、プログラムに沿って、出席者の方々からALFA構想への期待や要望が述べられました。意見交換会では、充実した議論がなされ、今後、ALFA構想の実現に向けて協力していくことになりました。